米国務省、中国拠点の外国主体によるAI蒸留巡り各国に警戒要請

米国務省、中国AI蒸留で各国に説明指示 知財保護巡る対中牽制を外交ルートへ拡大

※記事を視覚化したイメージであり、実際の事象とは異なります。

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ロイターが入手した4月24日付の米国務省外交公電によると、同省は世界各地の外交・領事公館に対し、敵対勢力による米AIモデルの抽出・蒸留への懸念を各国当局者に伝えるよう指示した。その前日の4月23日には、ホワイトハウスが主として中国に拠点を置く外国主体による「産業規模」のAI蒸留キャンペーンを公に非難しており、米政府はAIを巡る知財・安全保障上の問題を外交ルートでも前面に押し出し始めた。

中国系主体への警戒強化

ホワイトハウスは4月23日に公表したメモで、米政府は米国のフロンティアAIシステムを蒸留する意図的な産業規模の活動に関する情報を把握しているとし、その主たる発信源として中国に拠点を置く外国主体を挙げた。米政権は中国企業による米製AIモデルの「搾取」への対抗姿勢も打ち出している。

こうした問題提起は企業側でも先行していた。2月には、OpenAIが米下院の対中強硬派委員会向けメモで、DeepSeekが蒸留を使ってOpenAIや他の米フロンティアAIラボの能力にただ乗りしようとしていると警告していた。米AI企業と政権の双方で、中国系主体によるモデル抽出への警戒が強まってきた構図だ。

これに対し、在米中国大使館は米側のAI知財窃取批判について、「根拠がない」「中国のAI産業の発展と進歩に対する意図的な攻撃」だとして否定している。米中の対立は、半導体や通信分野に続き、生成AIの学習手法と知的財産の扱いにも広がっている。

AI蒸留問題の外交展開

ここで問題になっている「蒸留」は、より高性能なモデルの出力を使って、より小型で能力の低いモデルを学習させる手法を指す。機械学習では一般的な概念だが、今回米政府や米企業が焦点を当てているのは、無断利用やモデル抽出、能力の複製につながる形で使われるケースだ。

4月23日のホワイトハウスの非難と中国大使館の反論は公開の発言として示されている。一方で、4月24日付公電の送付先や各国当局者との協議指示、具体的な文言はロイターが入手した非公開文書に基づく内容で、公電が個別企業名まで明示したかどうかは明らかになっていない。

それでも、米政府がこの論点を企業間や議会向けの問題提起にとどめず、在外公館を通じた各国への説明事項に引き上げた意味は大きい。今後は同盟国との認識共有や規制・輸出管理、知財保護を巡る協調に議論が広がる公算があり、追加措置の具体像が次の焦点となる。

参考・出典

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