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個人情報保護法改正案は26日の衆院本会議で可決され、衆院を通過した。統計情報等の作成にのみ利用されることを条件に、本人同意を不要とする場面を広げる一方、違法な個人情報の取扱いで利益を得た事業者に課徴金を科す制度を新設する。AI開発を含むデータ利活用の促進と、違反行為への抑止強化を同時に進める改正案である。
統計・AI用途で広がる同意例外
政府は4月7日、「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」を第221回国会に提出した。法案は衆院先議の内閣提出法案で、衆院の地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会が5月21日に可決し、26日の本会議の議題に上った。
現行法は、人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実などを「要配慮個人情報」と位置付けている。差別や偏見、不利益につながり得る情報であるため、取得には原則として本人同意が必要だ。
改正案は、この保護の考え方を残しつつ、個人データ等の第三者提供や、公開されている要配慮個人情報の取得について、統計情報等の作成にのみ利用される場合に本人同意を不要とする措置を盛り込む。本人同意が不要になることは、企業などが自由に使えることを意味しない。想定されるのは、特定の個人との対応関係を排した統計情報等の作成や、これに含まれるAI開発などの用途であり、目的外利用や第三者提供を防ぐ担保措置が前提になる。
違法取扱いには課徴金
もう一つの柱は、個人情報の違法な取扱いなどで財産上の利益を得た場合に、個人情報保護委員会が課徴金の納付を命じる制度の創設である。従来の報告徴収や立入検査、指導、勧告、命令に加え、違反によって得た利益そのものに着目する仕組みを加えることで、抑止力を高める狙いがある。
今後の参院審議では、要配慮個人情報を含む機微な情報の漏えい防止、本人同意を不要とする適用範囲、課徴金の対象要件や算定のあり方が焦点となる。改正案は、AI開発などに向けたデータ利活用を広げるだけでなく、違法な取扱いで利益を得る行為への制裁も強める内容で、保護と活用の線引きが参院審議でも問われる。
