中国IT大手バイトダンス、AI向け独自CPU開発を進める

バイトダンス、AI基盤向け独自CPU開発報道 Coze展開を支える狙い

※記事を視覚化したイメージであり、実際の事象とは異なります。

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ロイターは2026年5月28日、事情に詳しい3人の関係者の話として、TikTokを運営するバイトダンスが独自CPUを開発していると報じた。AIサービスを支えるサーバー需要が膨らむ一方、CPUの価格上昇と供給不足がデータセンター拡張の制約になっているため、自社インフラ向けの基幹部品を内製化する狙いとみられる。

自社データセンター向けのCPU構想

計画されているCPUは、外販向けではなく、バイトダンス自身のサーバーやデータセンターで使う社内運用向けとされる。用途としては、同社のエージェント型サービス「Coze」を含む製品群の大規模展開が挙げられている。エージェント型サービスは、利用者の指示に応じてAIが複数の作業を自律的に進める仕組みで、利用が広がれば推論処理、つまりAIが回答や操作を生成するための計算負荷が急増する。

設計案はArm系とRISC-V系の2系統で並行検討されている。Armはスマートフォンからサーバーまで広く使われる設計基盤で、RISC-Vは仕様が開かれた命令セットとして注目されている。プロジェクトはまだ初期段階にあり、設計支援やファウンドリーの生産能力確保を助ける外部パートナーにも接触している。

背景には、汎用サーバーCPUの調達環境の悪化がある。インテルは2月、中国顧客向けサーバーCPUの納期が最長6カ月に及ぶ可能性を警告していた。バイトダンスは現在、インテルとAMDからCPUを調達しているが、ロイターによると、関係者2人は両社のCPU価格がここ数カ月で前期比10〜35%上がったと述べている。インテルは一部製品の価格改定を認め、AMDはコメント要請に回答していない。CPUはAI計算を担うGPUを動かす土台でもあり、推論サービスが拡大するほど、GPUだけでなくCPU側の確保も重要になる。

半導体確保を複線化するバイトダンス

バイトダンスの半導体戦略を巡っては、2024年6月にブロードコムと先端AI向けASICを共同開発していると報じられ、同年9月にはファーウェイ製Ascend 910Bを主に推論用途で使っているとも報じられた。2026年2月には、AIチップの製造を巡ってサムスン電子と協議しているとロイターが報じたが、バイトダンス側はこの計画について「不正確」と説明していた。さらに5月26日には、クアルコムがバイトダンスにAIデータセンター向けASICを供給する契約に達したとブルームバーグ通信が報じていた。

これらはAIアクセラレーターやASIC、外部調達に関わる動きであり、今回のCPU開発とはチップの役割が異なる。今回の焦点は、AIモデルそのものを高速化する専用チップではなく、自社データセンターの基盤を支えるCPUにある。推論やエージェント型サービスの利用が増えれば、計算資源を安定して確保することが競争力に直結する。量産時期、製造委託先、導入規模、Arm系とRISC-V系のどちらを採用するかは明らかになっていない。

参考・出典

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