米国防情報局がイスラエルの対諜報脅威を最高評価に引き上げ

米国防情報局、イスラエルの対諜報脅威を最高レベルに イラン交渉めぐり警戒強化報道

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複数の米主要メディアは6月6日、米国防総省の国防情報局(DIA)が、イスラエルに対する対諜報上の脅威評価を最高レベルに引き上げたと報じた。背景には、トランプ政権の対イラン政策や中東情勢をめぐる内部協議を、イスラエル側が把握しようとしているとの米側の懸念がある。イスラエル大使館報道官は、米政府高官を含む米側を標的に情報収集しているとの見方を「完全に誤り」と否定し、ホワイトハウス当局者も報道を「虚偽」とした。ペンタゴンはコメントを控えた。

最高レベル「クリティカル」への引き上げ

NBC Newsは、DIAがイスラエルに関する対諜報上の脅威評価を「critical(クリティカル)」へ引き上げたと、現職の米当局者2人と元当局者1人の話として伝えた。引き上げはここ数週間のうちに行われたとされる。対諜報とは、外国政府などによる情報収集や浸透工作から自国の機密や要人を守る活動を指す。今回の評価は、イスラエルを敵対国とみなす公式認定ではなく、米側が情報保全上の警戒を強めたことを意味する。

米側の懸念は、同盟国同士の間でも起こり得る通常の情報収集を超え、より攻撃的になっているという点にある。とくに、イランとの交渉や中東政策をめぐる政権内の意思決定が関心対象になっていると報じられている。

実務面では、米高官がイスラエルを訪問する際やイスラエル側と接触する際に、通信機器の管理や会合場所の確認など追加的な警戒措置が取られる可能性がある。一方で、日常的な高度情報共有には直ちに影響は出ていないとされる。安全保障上の緊密な協力関係と、情報保全上の警戒は同時に存在し得るということだ。

イラン対応をめぐる不信の拡大

ニューヨーク・タイムズの報道として、米情報当局内ではイスラエルの対諜報上の脅威が「どの同盟国よりも高く、一部の敵対国よりも高い」とみなされているとの内容も伝えられた。AFPは同報道に基づき、スティーブ・ウィトコフ氏やエルブリッジ・コルビー氏らが盗聴未遂の標的になった疑いに言及した。個別の手口や事案の詳細は公表されておらず、報道ベースの疑惑にとどまる。

また、デイリー・ビーストはニューヨーク・タイムズ報道の要旨として、イスラエルで米防衛要員の端末に通信傍受用ソフトが仕込まれていたことが、評価引き上げの契機になったとの説明を紹介した。これも米政府が公式に認めた事実ではなく、具体的な検証状況は明らかにされていない。

今回の報道は、米イスラエル間の緊密な安全保障協力の内側で、情報保全上の不信が可視化されたことを示している。トランプ大統領とネタニヤフ首相の関係悪化、イラン交渉をめぐる路線対立、レバノンでのイスラエル軍事行動をめぐる温度差が重なるなか、政策対立に対諜報上の警戒が重なった形だ。6月7日にはイランがイスラエルにミサイルを発射し、トランプ氏がイスラエル側に報復を控えるよう促したとも報じられており、中東政策をめぐる米イスラエル間の隔たりは一段と目立っている。

参考・出典

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