インド政府文書、RBIが暗号資産を禁止寄り維持 税務当局も慎重

暗号資産規制でインド当局が慎重姿勢 税務当局も追跡難を警告

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ロイターが8日に確認したインド政府文書によると、インド準備銀行(RBI)は暗号資産政策を「禁止寄り」に保つべきだとの立場を改めて示した。税務当局も、海外取引所やP2P取引を通じた暗号資産取引は追跡や課税が難しいと警告しており、金融規制と税務執行の両面で慎重姿勢が強まっている。

金融システムからの切り離しを求めるRBI

RBIは、銀行や金融機関が暗号資産や民間発行のステーブルコインを保有したり、取引したり、与信や投資を通じてリスクを抱えたりしないよう、規制された金融システムから暗号資産を切り離す方向を求めている。中央銀行が問題視しているのは、価格変動だけではない。金融安定、通貨主権、資本流出や外部収支への影響、さらに民間ステーブルコインが広がった場合の波及リスクが懸念材料に挙がっている。

ステーブルコインは、ドルなどの法定通貨に価値を連動させる設計の暗号資産だ。利用が広がれば送金や決済が便利になる一方、国内通貨や金融政策の効き方に影響するおそれがある。RBIの姿勢は、暗号資産を銀行部門の外側にとどめ、金融機関経由でリスクが広がるのを防ぐ考えに基づいている。

税務当局は、海外取引所、自己管理型ウォレット、分散型取引を通じた売買について、取引主体や受益者の特定が難しいとみている。利益の過少申告も問題視されており、暗号資産をめぐる懸念は市場リスクから課税の実効性にまで広がっている。

包括法がないまま続く取引と課税

インドでは、暗号資産取引を包括的に定める専用法がないまま取引が続いている。RBIは2018年、規制対象金融機関に対し、暗号資産関連業者へのサービス提供を制限したが、2020年3月に最高裁がこの措置を覆した。その後も制度上の灰色地帯は残り、政府は暗号資産を国境をまたぐ性質の資産と位置づけ、国際協調が必要だと説明している。

一方で、取引が無規制のまま放置されているわけではない。現行制度では、暗号資産を含む仮想デジタル資産(VDA)の利益に30%の税率が適用され、取引には1%のTDSが課されている。TDSは取引時に税を差し引く源泉徴収に近い仕組みで、当局が取引を把握する手段の一つとなる。事業者には金融情報機関FIU-INDへの登録や、マネーロンダリング対策の対応も求められている。

RBIは2021年5月31日付の通達で、規制対象事業者に対し、本人確認、マネーロンダリング・テロ資金供与対策、外国為替管理法の順守を継続するよう求めている。インド政府は日本時間7月9日時点で、暗号資産の禁止方針を正式に決定したとは公表していない。

参考・出典

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