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豪シンクタンクのオーストラリア戦略政策研究所(ASPI)とジャパン・ネクサス・インテリジェンス(JNI)は、外国勢力による偽情報や影響工作への対抗を日豪協力の優先事項に位置付ける共同レポート第二弾を公表した。JNIは1日、中国の影響工作に対抗する具体策として、両国の国家情報局を軸に共同プロトコルを確立することなどを提言したと発表した。
国家情報機関を軸にした対処手順
ASPIのサイト「The Strategist」は6月26日、JNIとの共著記事「Countering disinformation could anchor Australia-Japan intelligence cooperation」を掲載した。記事は、豪州の国家情報局(Office of National Intelligence)と日本の国家情報局に担当責任者を置き、偽情報対策を日豪のインテリジェンス協力の柱にする構想を示した。
提案は、両国の情報機関を全面的に統合するものではない。まずはオンライン上で運用する二国間の対偽情報セルを設け、敵対的な情報活動を共通の分類で把握する仕組みを整える内容だ。インド太平洋地域で繰り返される偽情報の筋書きや主張を追跡し、どの段階で背後の主体を公に名指しするかという判断基準も共同で定めるとしている。
選挙や災害・安全保障上の危機に偽情報が流れ込むと、投票行動や政府対応への信頼が揺らぎかねない。レポートは、こうした局面で日豪がどのように情報を共有し、国民への説明や対外発信をそろえるかについて、あらかじめ共同対応手順を作る必要があるとしている。
官民をつなぐ常設フォーラム案
レポートは、政府機関だけでなく、テック企業、メディア、シンクタンク、市民社会、選挙実務の専門家を集める常設の「Australia-Japan forum on information integrity」の設置も提案した。偽情報対策は、政府が発信を打ち消すだけでは足りず、拡散の場となるプラットフォームや報道機関、研究者との連携が欠かせないためだ。
JNIは1月20日、ASPIとの連携の一環として、日本を標的とする中国の偽情報戦術を扱う前回レポートを公表していた。前回は、中国が第二次世界大戦の記憶をめぐる解釈を組み替えようとする動きや、日本の地域パートナーシップを弱体化させようとする取り組みの分析が中心だった。
今回の第二弾は、そうした実態分析に加え、日豪が共同で対処するための制度設計に踏み込んだ。共同プロトコルや二国間セルは提言段階であり、日豪両政府が正式に設置や運用で合意したものではない。
