米トランプ大統領がAI大統領令、重要インフラのサイバー防御強化へ

トランプ氏、AI大統領令に署名 最先端モデルの任意点検枠組みを整備

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トランプ大統領は2日、「Promoting Advanced Artificial Intelligence Innovation and Security」と題するAI大統領令に署名した。柱は、連邦政府と重要インフラのサイバー防御をAIで強化し、一定の最先端AIモデルについて政府が安全保障・サイバー面を事前に点検できる任意参加型の枠組みを整えることだ。AIモデルの開発や公開、配布に義務的な政府ライセンスや事前承認を課すものではないと明記しており、包括的なAI規制ではなく、サイバー安全保障に絞った介入と位置づけられる。

重要インフラ防御と最先端モデル点検の二本柱

大統領令は、国家安全保障システム、Department of Warの情報システム、民生部門の連邦政府情報システムのサイバー防御を優先するよう関係機関に指示した。国土安全保障省はサイバーセキュリティー・インフラ安全保障局(CISA)を通じ、署名から30日以内に拘束力のある運用指令などを出し、連邦機関や州・地方当局、農村部の病院、コミュニティ銀行、地元公益事業者などがAIを使った防御ツールにアクセスしやすくする。

あわせて、AIサイバーセキュリティーのクリアリングハウスも設ける。重要インフラ事業者やAI業界と任意で連携し、ソフトウェア脆弱性のスキャン、検証、修正、パッチ配布を調整する仕組みだ。司法長官には、AIを使った不正アクセスやデータ窃取などに対する優先的な法執行も求めた。

財務省、国家安全保障局(NSA)、CISAなどは60日以内に、AIモデルの高度なサイバー能力を評価する秘密指定のベンチマーク手続きを整える。基準を満たしたモデルは「covered frontier model」とされ、開発企業は、守秘、サイバー防護、内部不正対策、知的財産保護を前提に、信頼できるパートナーへ公開する最大30日前から政府に事前アクセスを提供できる。対象は最先端モデルの一部であり、参加は任意だ。

厳格案から任意型へ絞り込み

複数の米主要メディアによると、今回の署名は、5月下旬に予定されていたより厳しい案が見送られた後に行われた。最終版では、政府の関与は任意参加型の事前アクセスに絞られ、点検期間も最大30日とされた。ホワイトハウスはこの枠組みを、安全な早期アクセスによってサイバーセキュリティーを強化し、安全な技術革新を促すものと説明している。

今後は、どの能力水準で「covered frontier model」と指定するか、有力AI企業がどこまで任意枠組みに参加するかが課題になる。「trusted partners」に誰が含まれるのか、守秘や知的財産保護を実務上どう担保するのかといった詳細も、制度の実効性を左右する。政権は競争力と安全保障の両立を掲げており、今後の運用でその具体像が見えてくる。

参考・出典

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