米シンクタンクCSIS 対イラン作戦で米軍ミサイル在庫回復に3年以上

CSIS、米ミサイル在庫の回復に複数年 対イラン作戦後の抑止空白を指摘

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米戦略国際問題研究所(CSIS)は27日、対イランの39日間の爆撃・防空作戦で減少した米軍の主要弾薬・ミサイル在庫について、作戦前の水準に戻すには複数年かかるとの試算を公表した。現行の納入見通しでは、トマホーク対地攻撃巡航ミサイル、THAAD、パトリオット用迎撃ミサイルはいずれも回復に3年以上を要する。CSISは、国防総省がその間に生じる抑止上のギャップへの対処計画を持つ必要があると指摘した。

主要3体系の補充に長いリードタイム

CSISが公表した論考「Rebuilding U.S. Missile Inventory: A Multiyear Project」は、ミサイルの種類ごとに補充時期を整理した。トマホークの作戦消費分は、2026年時点の国防総省の納入計画を前提にすると2030年後半までかかる。THAADの補充完了は2029年末が目安とされた。THAADは高高度で弾道ミサイルを迎撃する防衛システムで、対ミサイル防衛の中核装備の一つだ。

パトリオット用迎撃ミサイルは、過去の調達分だけでは消費分を埋め切れない。陸軍が2027会計年度予算で要求した3,203発の納入開始は2029年5月の見通しで、この新規調達が回復の鍵になる。パトリオットは航空機やミサイルを迎撃する防空システムで、米軍だけでなく同盟国やウクライナ支援でも需要が大きい。

一方、SM-3とSM-6はおおむね2年、JASSMとPrSMは数カ月から1年程度で補充できるとの見通しも示された。差が出るのは、予算の有無だけでなく、部品調達、生産ラインの拡張、契約から納入までの時間が制約になるためだ。CSISは、問題の中心は資金そのものより時間だと位置づけている。

西太平洋の抑止に残る空白

CSISは、米国が対イラン作戦の「あり得る範囲のシナリオ」に対応する弾薬は十分に持つと評価している。つまり、直ちに弾切れになるという話ではない。焦点は、同じ兵器群が必要になる西太平洋での潜在的な衝突に備え、回復までの数年間にどれだけ余力を保てるかにある。

作戦前水準への回復と、戦争計画上望ましい在庫水準への積み増しは別の課題だ。前者に数年を要し、後者にはさらに時間がかかりうる。新規生産分は米軍向けに加え、同盟国・パートナー向け供給やウクライナ支援とも競合するため、今後は生産能力の拡張、納入前倒し、配分の優先順位が国防総省の重要な検討課題になる。

参考・出典

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