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海外の企業や投資家による対日投資の審査を強化する外国為替及び外国貿易法改正案は29日、参院本会議で可決、成立したと報じられた。法案は、外国投資家による日本企業への直接出資に加え、海外法人を通じた間接的な影響力の取得や、リスク軽減措置の変更なども点検対象に広げる内容だ。米国のCFIUSを参考にした省庁横断の審査強化として、政治的には「日本版CFIUS」とも呼ばれてきた。
審査対象と事後対応の拡大
法案は「外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案」として3月17日に内閣から提出され、5月14日に衆院本会議で可決された。参院では25日に財政金融委員会へ付託され、28日に同委員会で可決された。
主な柱は、対内直接投資等の規制対象の拡大だ。外国投資家が、日本企業に一定の投資をしている海外法人などの議決権の50%以上を取得する行為などを、新たに規制対象に加える。日本企業の株式を直接買う場合だけでなく、海外法人を通じて間接的に影響力を強めるケースにも目を配る狙いがある。
事前届出の際にリスク軽減措置を講じる場合は、その内容の届出を求め、後で変更する場合にも事前届出を求める。契約などに基づき、非居住者らのために当該非居住者らの名義によらずに行う投資についても、一定の場合は行為者を外国投資家とみなして規制を適用する。さらに、事前届出の対象外であっても、将来の国際情勢の変化などで国の安全を損なうおそれが大きい案件には報告を求め、必要に応じて株式等の処分などを勧告・命令できるようにする。財務大臣と事業所管大臣は、審査で必要があると認めるとき、関係行政機関の長に意見を求めなければならない。この意見照会義務化の部分は公布の日から施行され、その他は原則として公布の日から1年以内に政令で定める日に施行される。
投資促進と安全保障の両立
財務省は、対日投資の促進を重要な政策課題と位置付ける一方、国際情勢の複雑化や社会経済構造の変化によって、安全保障の裾野が経済分野に急速に広がっていると説明している。今回の改正は、外国資本を一律に締め出すものではなく、国の安全に関わる懸念がある投資を見極めるため、対象範囲、事後的な関与手段、省庁横断の確認手続きを整える内容だ。
公布後は、法律番号や政令で定める施行日、審査を担う実運用体制の正式名称や構成、対象業種や審査実務を具体化する政省令・告示の内容が順次確認されることになる。政治的には、自民党と日本維新の会の合意に関連して制度整備が進んだとの報道もあるが、制度面では、対内直接投資を安全保障の観点から継続的に点検できる手段を拡充した点が中心となる。
