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中国政府は2日、日本とフィリピンが海洋境界画定に向けた交渉開始で合意したことについて、対象海域に台湾東方が含まれると主張し、「絶対に容認しない」と批判した。日比は5月28日の首脳共同声明で、EEZと大陸棚の境界画定に向けた正式交渉開始を決めており、中国は自国の海洋権益を侵害すると反発している。
国際法を掲げる日比、違法性を訴える中国
日比共同声明は、交渉の法的基盤として「国際法、特にUNCLOSの関連規定」と「関連する国際判例」を明記した。UNCLOSは、沿岸国が漁業や資源開発などで権利を持つEEZや大陸棚の扱いを定める、海の基本ルールに当たる。両国は境界を明確にすることで、周辺海域の権利関係を安定させる狙いを示した。
共同声明では、海上の安全確保と法の支配の堅持に向け、海上法執行機関同士の相互交流をさらに促進することでも一致した。合同訓練や能力向上支援を進める方針で、境界画定の法務交渉と海上での実務協力が並行して動く形となる。
中国外務省の毛寧報道官は5月29日、日比の交渉について、中国側が主張する海洋権益を深刻に侵害し、UNCLOSやその他の国際法、国際関係の基本規範に対する重大な違反だと述べた。郭嘉昆報道官も6月29日、日比が中国を迂回して交渉を始めようとしているとして「中国はこれを許さない」とけん制した。
さらに、中国自然資源部海洋発展戦略研究所は中国時間7月2日、日比による二国間海域境界画定開始に関する法律評論を公表し、日比の動きは中国と事前協議をしておらず、主権平等、協力・自制義務、信義誠実の原則に反すると主張した。報告は、日比に二国間の境界画定を停止し、中国と協議するよう求めている。
日米比の海洋連携と重なる境界画定問題
6月8日の第2回日米比海洋対話では、3カ国が南シナ海の最近の情勢について意見を交わし、「力または威圧による一方的な現状変更」への強い反対を再確認した。フィリピンと中国の紛争をめぐる2016年仲裁判断についても、10周年の機会にその意義を改めて確認した。
このため、日比の境界画定交渉は単なる二国間の線引き作業にとどまらず、日米比が進める海洋安全保障協力の流れとも重なって受け止められている。中国側は外務省発言や海警局の巡視に加え、7月2日の法律評論でも反対姿勢を重ねており、今後は日比の正式交渉の日程、対象海域、日本・フィリピン両政府の追加対応が問われる。
参考・出典
- Japan-Philippines Joint Statement on the Comprehensive Strategic Partnership (PDF)
- 包括的・戦略的パートナーシップに関する日・フィリピン共同声明:「未来を共に織りなす隣国」 (PDF)
- Foreign Ministry Spokesperson Mao Ning’s Regular Press Conference on May 29, 2026_Ministry of Foreign Affairs of the People’s Republic of China
- Foreign Ministry Spokesperson Guo Jiakun’s Regular Press Conference on June 29, 2026_Ministry of Foreign Affairs of the People’s Republic of China
- Second Japan-U.S.-Philippines Maritime Dialogue | Ministry of Foreign Affairs of Japan
