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報道各社によると、自民党は6月9日の総務会で、国家安全保障戦略など安保関連3文書の改定に向けた政府への提言を了承した。提言は、防衛力強化の裏付けとなる予算を確保し、「5年以内」に防衛力の変革を成し遂げるよう求める内容だ。日本の防衛費について具体的な数値目標は示さず、NATO加盟国などが国内総生産(GDP)比3~3.5%の国防費目標を掲げる動きを例示し、自国防衛への「国家意思」を明確に示す必要性を打ち出した。
党提言として整った防衛力変革の骨格
自民党安全保障調査会は5月25日、新たな国家安全保障戦略などの策定に向けた提言案を議論し、取りまとめを浜田靖一会長に一任していた。6月9日の総務会了承により、調査会段階の案は党全体の提言となり、今後、高市総理に渡される予定だ。
提言は、防衛費の規模だけでなく、防衛力の中身の転換にも重きを置く。無人機や人工知能(AI)を活用する「新しい戦い方」への対応、弾薬や燃料、部品・補修体制を含む継戦能力の確保など、長期化する事態でも機能する防衛力の整備を柱に据えた。装備の数量拡大にとどまらず、戦場の構造変化に合わせて部隊運用や装備体系を組み替えることを求めている。
政府は安保関連3文書の年内改定を目指している。3文書は日本の外交・防衛政策の基本方針を定めるもので、改定内容は今後の装備調達、部隊運用、予算編成に影響する。
数値目標を避けた提言と残る焦点
提言は、非核三原則の見直しや原子力潜水艦の保有には触れなかった。国内外の反応が大きい論点には踏み込まず、5年以内の防衛力変革と、その裏付けとなる予算確保を中心に据えた。
政府が年内に改定する3文書では、防衛費水準、財源、能力整備の優先順位をどこまで具体化するかが課題となる。GDP比3~3.5%という海外の例示は、日本が同水準を正式目標に決めたことを意味しない。提言は、必要な防衛力を積み上げる前提で、政治として予算確保の意思を示すよう求める内容だ。
