トランプ米政権、NATO向け米軍提供枠を大幅縮小する方針

米国、NATO危機時支援の戦力提供枠を縮小方針 欧州防衛の負担分担に影響広がる

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トランプ米政権が、欧州同盟国を危機時に支援するためNATOに提供する米軍能力の枠を大幅に縮小する方針だと、独誌シュピーゲルが5月26日に報じた。削減対象の例には戦略爆撃機、戦闘機、軍艦、空中給油機などが含まれ、報道では戦闘機の提供数を3分の1減らし、潜水艦を提供対象から外す案も示された。これに先立ちロイターも5月19日、政権がNATO同盟国に対し、危機時に利用できる米軍能力のプールを縮小する意向を伝える計画だと報じており、米国の対欧州関与見直しが具体的な戦力配分に及び始めた形だ。

焦点は危機時の米軍能力プール

今回の争点は、欧州に常駐する米軍を直ちに大規模削減するかどうかではない。NATOが危機や紛争に直面した際、米国がどの戦力を、どの程度の速さで同盟の作戦に回せるかという「提供枠」の見直しである。

NATOは「NATO Force Model」を、平時、危機、紛争時に加盟国がNATOへ利用可能な国別戦力を整理する枠組みと説明している。即応態勢は0〜10日、10〜30日、30〜180日の三層に分かれ、どの国が、どの戦力を、どの時間軸で出せるかをあらかじめ見えるようにする仕組みだ。要するに、同盟が有事に動くための戦力表に当たる。

戦略爆撃機、戦闘機、軍艦、空中給油機、無人機はいずれも、代替が容易ではない高価値の装備・支援能力だ。戦闘機は制空や対地攻撃、軍艦は海上交通路の防衛やミサイル防衛、空中給油機は遠距離作戦の継続に直結する。こうした能力の提供枠が縮小すれば、欧州側は不足分を自力で補うか、危機対応の速度や規模を調整する必要が出る可能性がある。

欧州側の役割拡大と負担分担

NATOは2月6日、欧州同盟国がNATO指揮機構でより大きな役割を担う新たな上級将官ポスト配分に合意したと発表した。同時に、米国が欧州連合軍最高司令官を維持するなど、NATOの指揮統制における米国の主要な関与は続くとの整理も示している。

そのため、今回の動きは米国のNATO離脱や欧州防衛からの全面撤退ではなく、欧州側により大きな通常戦力・支援能力の負担を求める流れの一部と位置付けられる。削減の規模や実施時期、どの即応層に最も影響が出るかは明らかにされていない。今後の焦点は、欧州主要国が不足分をどこまで補完できるか、同盟内協議でどのような戦力配分に落ち着くかに移る。米欧の負担分担論は、抽象的な政治要求から、実際の戦力配分を見直す局面に入った。

参考・出典

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