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米財務省は2026年7月10日(米国時間)、イランの金融仲介者アリ・アンサリを含む8人と6団体の計14者を追加制裁の対象に指定した。外国資産管理局(OFAC)による措置で、財務省はホルムズ海峡でイランによる国際海運への攻撃が再開したことを理由に挙げた。
最高指導者周辺につながる海外資産網
財務省は、アンサリがモジタバ・ハメネイ師やその家族、イラン政権の有力者、イスラム革命防衛隊(IRGC)の利益につながる海外資産網を管理していたと説明した。セントクリストファー・ネービス籍の持ち株会社スマート・グローバルを通じ、ドイツ、ルクセンブルク、スペイン、英国、キプロス、アラブ首長国連邦などの不動産や商業資産に投資していたという。
OFACはアンサリとスマート・グローバルを、イラン最高指導者とその関係者を対象とする大統領令13876と、テロ対策を定めた大統領令13224に基づいて指定した。
年間数十億ドルを動かす両替商網
制裁対象には、イランの両替商モハマド・ダルバニ・アンド・パートナーズ、ラバサニ・アンド・パートナーズ、モフセン・カンダン・アンド・パートナーズの3社が加わった。経営や支配に関与した7人のほか、香港のCDMトレーディングとアラブ首長国連邦のナバ・アルザキ・ローマテリアルズ・トレーディングも指定された。
財務省によると、両替商3社は制裁対象となっているイランの銀行に代わって外貨を保有し、移転して、年間で数十億ドル相当を動かしていた。多数のフロント企業やペーパーカンパニーを介し、実際の取引当事者を見えにくくしていたという。指定には、イランの金融・石油部門を対象とする大統領令13902も適用された。
今回の措置により、指定対象者・団体の米国内にある資産や、米国人が所有・管理する資産は凍結され、米国人との取引も原則として禁止される。
ロイターによると、イランのアッバス・アラグチ外相は7月11日(現地時間)、Xへの投稿で、追加制裁は米国が新たな制裁を科さないと定めた両国間の覚書第9条に違反すると主張した。指定対象者・団体による反応や、実際に凍結された資産額は明らかになっていない。
ホルムズ海峡を巡っては、日本、英国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダの6カ国が3月19日に共同声明を発出し、イランによる商業船舶への攻撃や機雷敷設、ドローン・ミサイル攻撃、海峡の事実上の閉鎖を非難した。参加国はその後拡大し、4月5日時点で38カ国となった。
